ー 津金先生、2回目の授業でも多読の説明をされるんですね。
津金:学生は難しい本を手に取りがちですし、辞書を引きながら読む読み方からなかなか離れられないので、毎回、多読のルールはしつこく確認するようにしているんです。
ー なるほど。多読について理解してもらわないと多読はうまくいきませんから、何度でも言うことは必要ですね。最初に絵本で導入されるのはどうしてですか?
津金:NPO多言語多読の夏のセミナーで、絵本を読むワークショップを経験したのがまさに目からウロコでした。文字ではなくて絵からわかる、広がる世界があるとわかり、学生にも絵本を楽しんでほしいと思いました。一見やさしそうに見える絵本にも日本語の特徴である擬音語や擬態語、日本語のリズムなど教科書では触れられない生の日本語がつまっている。上級だからこそ、絵本で、この日本語の世界を知って『読書』を楽しんでもらいたいんです。
ー 途中で居眠りしていた学生がいましたね。
津金:まだ自分に合う本を探せていないのだと思います。難しすぎる本を手に取ってしまって眠くなってしまったようですね。これからだんだんにそのことに気がつかせていきたいと思います。
ー これから、この多読クラスはあと10回以上あるそうですが、どう進めていくか見えてきましたか?
津金:24人もいるので、十分な個別指導ができるかどうかちょっと心配です。とにかく、学生がつけている読書記録の感想をたよりに学生の読み方や何が好きかを探っていこうと思います。
ー 評価はどうされていますか?
津金:本を紹介するブックトークなどのアクティビティと出席、授業態度でつけています。
※津金先生ご自身が書かれた詳しい授業実践報告はNPO多言語多読のブログにも掲載されています。https://tadoku.org/blog/blog/2018/10/18/6849