Facebookグループ「日本語コミュニティ」東京オフ会を見学!

最終更新日

日本語学習支援のFacebookグループ「日本語コミュニティ」オフ会@アスク出版イベントスペースが、8月15日に開催されました。普段はFacebook上でやりとりをしていますが、「夏休みだし、リアルでも会える場を!」ということで企画されたそうです。今回は、その様子をリポートします!

index


Facebookグループ「日本語コミュニティ」って?

メンバーの98%が日本語学習者、残る2%の多くは日本語教育関係者という、日本語学習者支援に特化したコミュニティです。日本語教育能力検定試験合格者で「やさしい日本語」の啓発活動をしている吉開章(よしかいあきら)さんが、2014年に日本語教師の方々の協力を得て立ち上げました。メンバー数は5年で5万人にまで成長しています。
下の表は、2019年8月5日現在のメンバーの所在地です。日本にいるメンバーも、ほとんどは学習者です。全世界から参加者が集まっていることがよくわかります!

コミュニティに参加している学習者は、何か質問があれば気軽にグループに投稿し、それを見た教師メンバーからの回答が得られます。なんと、1日あたり平均28回の投稿があるそうです!こんなにも活発に活動されているなんて、驚きです!

イベントの概要

そんな「日本語コミュニティ」さんですが、学習者参加型のオフ会は初開催!学習者も先生も、好きな時に好きなだけ参加することができる自由度の高い会となっていました。
イベント中は、会場内の参加者のやりとりを常時Facebook liveで配信し、オンライン会議システムのZoomを活用して双方向の会話を実現し、当日会場に行けない人でも、その場を共有しているかのような臨場感で気軽に参加をしていました。

Facebook Liveの再生回数は5000回以上、コメントも300件を超え、イベントは大盛況でした。会場には国内外で活躍する日本語教師の他にマダガスカルからの留学生、インドからの技術者が参加、Zoomには台湾、フィリピン、インドネシア、インド、アメリカ、デンマーク、マダガスカルなどからアクセスがあり、会場の大きなモニターを通じて、まったりとしたオフ会を楽しんでいました。

またグループ管理者で、絵が苦手な吉開先生が会場の学習者とお絵かき対決をし、どちらが上手にかけたか、次に何を描いてほしいか、など大盛り上がりでした。

日頃なかなか日本語を話す機会のない学習者の方にとっては、とても貴重で楽しい時間だろうな…と思いました。

参加者の声

終了後に、会場に来ていた方にお話をうかがいました。

「今日は参加して、とても楽しかった。普段はFacebookコミュニティの中だけで話してるけど、今日は実際に他の人に会って話せたから嬉しい。」

「こういうのにはじめて参加したけど、とてもよかった。日本語で話す練習ができるところはなかなかないから、また参加したい。」

参加者の方の感想を聞いて、やはり学習者にとって安心して日本語を話せる環境ってとても大切なんだなぁと思いました。そんな環境づくりを支えている日本語教師の皆さんに、「なぜ日本語コミュニティに参加しているのか」ご意見、ご感想をうかがいました。

コミュニティに参加されている日本語教師の皆さんからのコメント

Q参加動機は?
A.

  • 日本語が上手になりたいという学習者の熱意に少しでも応えられればと思って協力しています。
  • さまざまなレベルの学習者からの質問に、そのレベルに合わせて答えることは、日本語教師としての鍛錬になりますし、他の先生方のご説明も勉強になります。
  • 対面授業ではありえない数(数百人~千人)の学習者からの反応があることがモチベーションとなっています。

Q. 日本語コミュニティの良いところは?
A.

  • 学習者同士が助け合う場、情報を交換する場にもなっているように感じます。
  • 教室内での「練習」ではなく、日本語コミュニティで何かを書くことは、実際のコミュニケーションになります。自分が今習っていることが、すぐに目に見える形で使え、世界中の人々とコミュニケーションがとれるんだ、と学習者自身が気づくことができ、学習のモチベーションをさらに上げることができます。
  • 管理人の先生方がコミュニティの管理をしっかりしてくださっているので、世界一安全な日本語学習コミュニティとして、安心して紹介できます。

Q. どのように活用している?
A.

  • 自分の生徒にも参加を勧めています。また、ここでも質問に答えたり、他の先生方の回答を見ることで多くの気付きをいただきました。学習者にとっても教師にとっても得難い環境だと思い感謝しております!!
  • 資格だけをとって、まだライフステージ的には教えるタイミングではないと思っている私のような人が気軽に参加できる仕組みになっているのが、ありがたいです!全ては、不適切な発言などを管理してくださっているから成り立っていると思いますので、そこが一番重要なポイントだと思います!

自分の学習者に、生の日本語に触れる場として参加を勧めている先生もいるんですね。学習者にとって、メリットがあるだけではなく、教師にとっても勉強+モチベーションアップの場となっていることが、「日本語コミュニティ」が5年も続いている秘訣なのかなと思いました。

おわりに

世界中で日本語を学ぶ学習者と同じ時間を共有し、コミュニケーションをとることが容易になった今、便利なツールをフル活用し、日本語学習を支援する「日本語コミュニティ」さんの活動を拝見し、いろいろな日本語教育への関わり方があるのだと、勉強になった1日でした。
「日本語コミュニティ」のみなさん、ありがとうございました!

日本語コミュニティのアドレス(承認制非公開グループ)

https://www.facebook.com/groups/The.Nihongo.Learning.Community/

《取材・文》さかい アスク出版の編集者。海外や日本の日本語学校での日本語教師経験あり。最近ハマっているのは、芒果椰汁銀耳(白キクラゲのデザート)。

シェアする