Q1:1つのパートを進めるのにどのぐらいの時間を使っていますか?
新藤先生:1パートを進めるのに1日または2日かけています。あんまりていねいにやると学生は飽きちゃうし、学習内容によってかける時間を変えています。
Q2:初級1, 2 の2冊合わせるとどのぐらいの期間をかけているのでしょうか?
新藤先生:4〜5か月で初級1が終わります。その後初級2に進み、7〜9か月で2冊が完了します。
Q3:積み上げ型の指導と、『つなぐにほんご』の違いはどのようにとらえていらっしゃいますか?
新藤先生:積み上げ型の指導はAIでもできます。教師がいるんだったら、学生が文法や語彙を「使えるようになる」ための工夫をしなければいけません。せっかく日本に来たのだから、「どうやって使うか」を練習してほしい。そのような学生には行動中心アプローチである『つなぐにほんご』のようなテキストが望ましいと思います。
Q4:文法積み上げ型で学んできた学生は、『つなぐにほんご』の学び方に抵抗はありませんでしたか?
新藤先生:もちろんあります。「教えてもらう」ことに慣れている学生は、最初は何をしているのかわからないし、戸惑うと思います。でも徐々に慣れてきて、「あ、こういうことなんだ」とわかってくると話せるようになっていきます。
Q5:学生が話せるようになるための工夫はありますか?
新藤先生:学習したことを、すぐに実戦で使いたい、使ってみる、使えるようになったと思ってもらえるようにすること、学校内でもそういう環境を作って話しやすくするなど工夫しています。そういった「できること」を増やしてあげることで達成感を感じてもらえると思います。
Q6:授業中に発表をするとき、先生は指名しませんでした。学生の自発的な姿勢を尊重しているということでしょうか?
新藤先生:教師が仕切ると学生が動けなくなってしまうんです。「自分がやらなきゃいけないんだ」と学生自身に気づいてほしいし、最初からその授業をしていかないと、そのように育たない。「発表しないと自分の練習にならない」ということに気づいてほしいと思っています。